【瓦礫の魔女は。】壊滅した世界と、一途に歪んだ愛の話
何を思ったか、時計の針が天を指す頃に突然フリゲDLしてプレイし始めました。
そもそもあまりゲームをする方ではなかったので、いくつかゲームをプレイしてみようと思い、DLしたのがこちら。
瓦礫の魔女は。
プレイ時間:約4時間程 エンディング数:3種類
WOLF RPG エディター製 探索ADV
サークル「茸の里」
ツクラーおなじみのウディタ製。
ホラー要素はあるにはあるけど、メインではなかったので、ホラー的な怖さはあんまり。
狂気的な演出は結構ありました。
記憶喪失の主人公。
優しい神父。
壊滅した世界。
壊滅していない、温かい教会。
入ってはいけない部屋。
出てはいけない――……教会の外。
だけど主人公は飛び出します。
失われた記憶記憶を取り戻すため。
なくしたなにかを見つけるため。
優しい神父の目を盗み、
主人公のために奏でられるオルガンの音に背を向けて。
たくさんの何かが謎に包まれたまま、物語は始まります。
全エンド回収に大体5時間ほど。
ゲームに慣れたプレイヤーであればもっと早くクリアが可能です。
いかんせんゲームプレイど下手なもんで、死にまくりのフラグ逃しまくり。
墓地と裁判所のアノミー避けがほんとに難しい。
何度死んだか分かりません。
墓地はどうやら死に場所のようです。
まあ私は教会の前の道でも死ぬのでゾンビのいるほぼ全てのマップで死んでるんですけどね(放送委員会前だけは1撃食らうだけで済みました)
エンディングは3つあり、それぞれNormal、Happy、True
回収順も同じく。
選択肢はわりと分かりやすくエンディングへ誘導してくれました。
キャラクターはそれぞれ特徴を持っていて、
二面性の設定は上手く相補的に作られている感じ。
お互いへの愛情を持っていて、大切に思っているからこその選択は、自己犠牲だったり、他者犠牲だったり、強い同調による狂気反応だったり、様々です。
ストーリーは驚愕の展開!というわけではなく、進行中に蒔いた伏線を回収しつつ行くべき方向へ向かって落ちていきます。
行き着く先は是非ゲームをプレイして、ご自身の目で確かめてみてください。
ただ、個人的には、もう少しそれぞれの登場人物を掘り下げていって欲しかった(※キャラスキー派の願望です。ゲームの問題ではありません)
せっかくある設定がぽんと出てきて終わってしまうので、少し残念。
それぞれのキャラクターを主人公にした別作品を作成されるのかも知れません。
(後日談は出る?かも?)
あと、ゲームの進行や設定で若干分かりづらいというか、説明不足かなぁってところもあり、突然言葉が出てきて戸惑いました。
とはいえ、全体的にキャラクターの作り方が上手く、
UIとかSEもいい雰囲気。
ゲームを進めて行く内に好きなキャラクターが出てきて、
好きな登場人物ともっと触れ合いたいという欲求が最後に残る作品でした。
以下は、そんな私の好きな登場人物を語るだけ。
以下 ネタバレ&願望注意
私は基本的に脳内お花畑なので、一番好きなENDはNormal ENDでした。
例えそれが欺瞞でも、
例え主人公が何かを失ったままでも、
例えあの人が死んでしまうとしても、
いいじゃない、みんな幸せハッピーエンドで。
主人公も、記憶を失う前とは違う土壌でもっかい育ったっていうだけの話で、彼女が彼女であることには変わりなく、その上で幸せになるんなら、このENDでいいじゃんと思ってしまう。
慎也さんと一緒ならたぶんそんな不幸にはならんよ主人公。
そのままそこにいようよ。
そんなこと考えながら全ED回収して、最後にもっかいNormal END見て終わりました。
このEND迎える前に結構な回数慎也さん(優しい神父)に捕まりホラーよろしくなゲームオーバー画面を見ることになるのですが、そこからのNormal ENDの流れはなんともクセになるギャップ感がありました。
綺麗なベッドを主人公に使わせて、自分はボロボロのベッドを使う。
オルガン弾いてほしいなーというお願いを「もちろんだ」と快諾。
居候だけどガッツリ寝過ごす主人公の身だしなみを(恐らく毎日)整えてあげる。
追い詰められた別人格を守るために、自分が身を引き消える。
しかし口調は俺様。
そんな優しい俺様教祖兼神父の慎也さん。
実はNormal ENDでもあんまり幸せじゃない疑惑あるけど、あそこから主人公と支え合う幸せENDがあればいいなと思います。
いや、恋愛的な意味ではなくまあギャルゲーならそれはそれでいいんだけどただ、見返りなく人に優しく出来てしまう慎也さんに幸せな未来があってほしかったなって。
ストーリーとか、世界観的に、難しいんだろうけど。
ただちょっと報われてほしかった。
ていうか最後に会いたかったよ本気で。
ちょっとKYだけどどんな人にもガンガン攻めていける自己中系主人公と、KYなふりして実はちゃんとしてる優しさ100%教祖様の幸せな未来。
どうですかね。ダメですかね。
あと、この鏡を見たらきっと私は私のことを思い出せるだろう……っていうめちゃくちゃシリアスなシーンなのに、教会に鏡が一枚もないので女性の身だしなみを男性の慎也さんがやってあげているっていう設定の方にときめいてしまった。
こういうことか。
わからん。違うかもしれん。でもこうだと大変素晴らしいと思います。
主人公、朝弱いからね(たぶん)
しょうがないね。